五月のGWも過ぎ、主婦の方は学校や仕事に戻っていく子どもや夫を見送って、ホッとしているのではないでしょうか。
普段の日常の生活リズムが長期休暇などで崩れると、休み明けから体調を崩す方も少なくありません。
昔の人はうまく休暇を消化できていたように思いますが、現在の人はそれが難しいようです。
休暇でいつもと違う環境によって、多くのストレスをもらってしまい、余計に疲労が溜まって、うまく発散できてないようです。
現代人は受け流すということができなくなっているような気がします。
すべて真っ正面から受けてしまい、その重圧に潰されてしまうのでしょう。
このストレス社会を乗り切るためにも、受け流すことは重要ではないかと思っています。
腰痛といっても原因は腰の筋肉ばかりにあるわけではありません。
からだのすべては関連性があります。
その中でも腰痛と太ももとの関係は切り離して考えられません。
腰痛と太ももとの関係で大事な筋・筋膜がハムストリングスになります。
ハムストリングスとは、大腿後部(ふともも裏)にある3つの筋(半腱様筋、半膜様筋、大腿二頭筋)をまとめて呼ぶ名前です。
実はこのハムストリングスという筋群にあるトリガーポイントが臀部に関連痛を起こし、骨盤の正常な動きを制限させます。
そのことによって腰痛を引き起こす原因になります。
ハムストリングスの筋群の問題で、骨盤から腰、体幹、股関節の動きが制限され、代償動作を繰り返すことで慢性化し、首や肩などにも影響が出て痛みを起こすことも珍しくありません。
このように大変重要な筋であるハムストリングスですが、どういったことによって問題が起きるのでしょうか。
それはズバリ、私たちの身近な生活のなかに潜んでいます。
近年、洋式生活が主体になっていて、和式生活は少なくなりました。
特に地べたに座ることが少なくなり、椅子に座るのが当たり前になっています。
そういえば、畳の部屋がない物件もよく見かけます。
椅子に座る時間が増えたことの現代で、椅子の被害者にならないように気をつけなければなりません。
では椅子に座るとハムストリングスがどう影響を受けるのか。
それは椅子の座面前縁部によってハムストリングスが圧迫されることにあります。
特に床に足が着かないくらい高い椅子などは、足を休めることができず、圧迫が強くかかってしまいます。
背の低い人や足の短い人はより注意ですね。
このハムストリングスの圧迫が長時間毎日続けば、血流が悪くなって、神経圧迫も引き起こし、ハムストリングスの筋膜滑走に制限ができてトリガーポイントを活性化させてしまいます。
そうなると、骨盤や体幹にまで動きの制限が及びます。
ハムストリングスが慢性化して短縮して硬くなると、骨盤は後ろに傾いてしまい、腰が曲がってきます。
つまり腰の前弯がなくなってしまうのです。
このことで、顎が前に出た、首にストレスのかかる形になります。
つまり、原因が原因を作って、連鎖的に問題が起きてしまいます。
だからこそ注意深く、からだ全体の繋がりを観ていき問題があれば整える必要があるわけです。
椅子生活によるリスクは分かっていただけたと思いますが、ではどうしてリスクを回避するか?
ハムストリングスを鍛えればいい?
違います。
なんでも筋トレで鍛えたらいいという考え方は止めるべきですね。
長時間、同じ箇所に圧迫が加わることが良くないのですから、圧迫を避けるようにすることが良いです。
足が地面につかないのなら、フットレストなどの台を置くなどは直ぐできることです。
少しでもハムストリングスにかかる負担は軽減できます。
しかし、1番良いのは自分のからだが違和感を感知して圧迫による悪化から自分で避けることです。
からだが感覚が良ければであれば可能です。
常に圧迫を分散できるようズラすことを無意識にできればそう悪くなることはないですし、あとはこまめに立ち歩くなどすると良いわけです。
お寺のお坊さんが良い例です。
私たちは普段しない正座を長時間すると、直ぐシビレてしまって立ち上がれなくなってしまいます。
しかし、お坊さんたちは足を組み替えることで同じ箇所に圧迫が生じないよう、上手く避けています。
だから長時間正座してお経をあげていても足がシビレないのです。
これを私たちの椅子生活にも取り入れなければなりません。
でないと圧迫によりハムストリングスが悪化してから気がつくような状態になってしまいます。
そうならない為にも、自分の外と内の環境を変えることをオススメします。
外の環境を変えることは、フットレスト等の台を使ってハムストリングスへの圧迫を減らしたり、こまめに立ち歩いたりすることです。
内の環境を変えることは、体を整えることです。
すなわち、体の感覚を良くすることです。
体の感覚が良いと、違和感を感知しやすくなるのでスッと体勢を変化させて圧迫から除圧することが可能です。
本当に素晴らしい体というのは常にその場に居座らない体のことです。
居座ることは死を意味するので、常に変化している必要があります。
体は常に変化していくものであって、その環境に適応していく必要があります。
体にとって不必要な圧からは避けなければなりません。
そういった体の状態にするにはまず、体を整えることだと思います。
これはいくら知識を頭に詰め込んで理解したとしても意味のないことです。
体自身で感じることですので、体感するしかありません。
これを読んでいる方はもうすでに腰痛に悩まされているかもしれませんが、まずは体を整え腰痛を取り除くことで体感し、分かると思います。
ぜひ、体を整った状態を体感してもらいたいと願います。
おしまい、、、