坐骨神経痛という名前を一度は聞いたことがあると思います。
実際に病院で坐骨神経痛という診断をされた方も多いのではないでしょうか。
坐骨神経痛というだけあって坐骨神経が問題になり、お尻から太ももの裏、ふくらはぎにかけて痛みを起こすものと知られています。
この痛みは歩行時に足を引きずるほどの痛みを起こすと訴える方も多くいらっしゃいます。
他にも、痛みのある側を下にして横になると、痛みがあり、夜に寝返りを打つと睡眠障害の原因になることもあります。
当院の患者さんでは、少し長く座った後に、立ち上がることができなくなる方もいました。
このように私たちの日常生活に支障のある坐骨神経痛ですが、病院で治療しても、なかなか良くならないと思っている方は多いでしょう。
薬や注射をしても良くならないのには理由があります。
病院に行くと高頻度で診断名がつく、この坐骨神経痛ですが、実は小殿筋という筋肉に痛みを起こす原因があることが多いのです。
小殿筋は骨盤と大腿骨をまたいで付着する筋肉です。
殿筋には小殿筋の他に大殿筋や中殿筋という筋肉もあります。
さて、この小殿筋ですが中殿筋の下にあり、非常に深い位置にある触診の難しい筋肉です。
その小殿筋にあるトリガーポイントが関連痛として坐骨神経痛のような痛みを起こします。
つまり、小殿筋が何らかの要因によって、小殿筋のトリガーポイントが活性化され、痛みを引き起こします。
ではどういった要因によってトリガーポイントが活性化されるのでしょうか?
実はその要因は広範囲に及ぶのです。
まず、多いのが長時間の坐位姿勢にあります。
特に坐位姿勢に歪みがあり、偏りがあると慢性的にストレスがかかっている場合があります。
骨盤の歪みや背骨の歪み、他にも体が歪んでいれば、小殿筋に余計なストレスを与えて慢性的な収縮を生む原因になるでしょう。
もちろん座ること以外にも、足の裏にイボやタコがあって異常歩行などを繰り返すことが原因になることもありますし、スポーツなど多岐に渡ります。
このように小殿筋は問題になりやすい筋肉と言えます。
小殿筋の関連痛によって坐骨神経痛のような痛みが起きている方は多くいて、実際に施術によって痛みが取り除かれることはよくあります。
他の筋肉でも似たような症状を起こすこともありますが、小殿筋が問題になっているケースは多いように思います。
ここで坐骨神経痛に悩む方に言いたいのは、診断名に縛られて的外れなことになっていないかということです。
坐骨神経痛ということで、なかなか良くならず、長い期間病院に通っていると、手術という選択になる方も少なくなりません。
本当に坐骨神経に何らかの問題があれば手術によって解決するかもしれませんが、この小殿筋による関連痛だった場合は的外れになります。
だからこそ、坐骨神経痛なのか小殿筋など筋の関連痛によるものなのかをしっかり判断する必要があります。
悩んでいる方は手術する前に一度、確認してみることをオススメします。
ご自身で調べて確認するのもいいですが、治療家に観てもらう方がそのまま施術もできるので良いでしょう。
さて、この偽坐骨神経痛を引き起こす小殿筋ですが、どのように良くしたらいいのか?
その方法はたくさんありますが、ご自身でやるのであればテニスボールや、最近話題になっている筋膜リリース用のグリップなどを使用するといいです。
加減が難しいですが、ゆっくり痛気持ちいい程度でやるといいかもしれません。
コツを見つけるまでは慣れる必要があります。
小殿筋が原因の場合、うまく小殿筋をリリース(解きほぐす)することができれば痛みは良くなるでしょう。
しかし、ここで気をつけなければならないのが、なぜ小殿筋が問題を起こしたかも合わせて解決しなければなりません。
それには、トータルで全身を観ることができるプロの治療家に任せる必要があります。
小殿筋のリリースでその場のツライ痛みは引くかもしれませんが、体の関係性を解決しないと、また症状が出てくる心配があります。
人の体を観たとき、ただ1つ問題があるという場合はほとんどありません。
多数の問題が大小絡み合って存在しています。
複雑なのです。
すべてを人の手で、どうこうすることはできませんが、体の歪みを正し、体を整えれば、あとはその個人の持つ力が何とかしてくれます。
あなたにとっての最高の薬はあなた自身の体の中にあります。
私たち治療家はそのきっかけを作るナビゲーターに過ぎないのかもしれません。
話がそれましたが、坐骨神経痛と診断され、いろんな治療をしたけど良くならない。
あとは手術しかないという状況であるなら、一度その坐骨神経痛がトリガーポイントによる関連痛であるかもしれないと疑ってみるといいかもしれません。
実は、手術を勧められていた方でトリガーポイントによる関連痛だったことは多く、施術によって手術しなくて良かった例は数多く存在します。
まずは自分の体で起きている真実を知ることです。
他の人がそうだったから、似た症状だったから等は参考になるかもしれませんが真実ではありません。
過去の症例から結びつけることは悪いことではありませんが、個人をもっと詳しくみる方が重要だと思うわけです。
まだまだ、体の秘密はすべて解明されているわけではありません。
小殿筋の問題も1つの可能性に過ぎませんが、事実ですから調べてアプローチする価値はあるでしょう。
坐骨神経痛や偽坐骨神経痛に悩む方が1日でも早く良くなることを願っています。
おしまい、、、